2011年4月7日木曜日

第20回 原子力安全委員会速記録

第20回 原子力安全委員会速記録

平成23年3月28日(月)
原子力安全委員

(注:この速記録発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)

第20回 原子力安全委員会臨時会議
平成23年3月28日(月)午前11時15分~
内閣府742会議室
議題(1)福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)(案)
(2)その他
配付資料(1)福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)(案)

午前11時15分開会
○班目委員長 それでは、ただいまから第20回原子力安全委員会臨時会議を開催いたします。
最初の議題は、「福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)(案)」でございます。
本件につきましては、私の方から説明させていただきたいと思います。資料第1号をご覧ください。これに案文が書いてございます。
読み上げます。
福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)(案)。
平成23年3月28日、原子力安全委員会。
福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階において通常の原子炉水の約10万倍の放射能濃度の水が存在していることについて、原子力安全委員会は次のように考えます。
この濃度は1号機や3号機に比べ約数十倍であり、一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水がなんらかの経路で直接流出してきたものと推定されます。
なお、他号機の流出水は格納容器から蒸気として出てきたものが凝縮したものか、放水により希釈されたものと推定しております。
空間線量率が非常に高いのは建屋の中だけであり、屋外では異常な数値は計測されていません。
現在、2号機の炉心への注水は屋外から実施しており、これは仮設のポンプに切り替えるなどして今後もより安定な形で継続できます。
したがって、格納容器内の水の漏えいが今後も継続されるとしても、炉心に注水し蒸気を放出して冷却するという現在実施している冷却方法は、継続可能と考えます。
ただし、タービン建屋地下1階の空間線量率が高いことから、今後の作業を継続するためにも、事業者は、滞留水の処理を速やかに実施するとともに、作業者の放射線管理に十分な配慮が必要です。
原子力安全委員会の最大の懸念は、この水の地下や海水への漏えいであり、その防止に万全を期することはもちろん、安全確認のため地下水のサンプリングの実施や海水のサンプリングの強化を求めます。
このような助言を内閣総理大臣に提出したいと思いますが、ご意見をいただきたいと思います。
お願いします。

○代谷委員 ひとつ、この書き方について、ご質問させていただきたいと思うんですが、他号機の流出水について言及されているところで、ここでひとつ格納容器から蒸気として出てきたものが凝縮したものかというかなり具体的なことが書かれているんですが、こういうことを書くのが良いのかどうかというところでございまして、これについてお考えをお聞かせいただければと思いますが、いかがですか。

○久木田委員 今のご質問に答える前に、まず、今の第2パラグラフの最初のところで「約数十倍」という表記がありますけれども、「約」は必要ないですね。
今の代谷委員のご質問ですが、濃度が数十倍であるということに関して、2号機が、1号機や3号機に比べて燃料の損傷が桁違いに大きいというふうには理解しておりません。そういうことから、こういった推定が推論のひとつとして出てくると思っていますが、もちろん燃料から出てまいりました放射性物質が、こういったタービン建屋に至るためには、放射性物質と原子炉内の水とがどのように接触するか、接触した水がどういった経路をたどって出てくるかということ、いろんな因子による影響を受けます。
従いまして、この推論はそういった原子炉内での条件の相違の可能性までは含んでいませんので、その意味で少し強い推論になっているというところがあるかもしれません。
何か具体的な修文のご提案はありますでしょうか。

○代谷委員 今の件に関しまして、私としてはこれは推定ということなので、この部分が否定できないことは確かだとは思うんですが、後ろに「放水により希釈されたものと推定」していますというような形でも、他の号機のものが低いということが言えるということで、余り、不確定なことは書かない方が良いのかなというそういう気がいたしましたので、今、ご質問申し上げた次第です。

○班目委員長 それでは、他の委員からも伺いたいと思いますが。
小山田委員。

○小山田委員 これは表現だけの問題でありますけれども、3段落目ですね。
「空間線量率が非常に高いのは建屋の中だけであり、屋外では異常な数値は計測されていません」と書いてありますが、今の屋外の数値もやはり異常ではあると思います。従いまして、ここは「屋外ではこれほど高い数値は計測されていません」というふうに書く方がよろしいのではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

○班目委員長 これはおっしゃるとおりで、確かに異常な数値ですね。では、むしろここは直すとして、他に何かご意見ございますか。

○代谷委員 今の件について、もちろん建屋内ほど高い線量は出ていないわけですけれども、ということで、「異常な数値」というのは「特に異常な」、「特段に異常な数値」ぐらいにしてはいかがでしょうか。

○班目委員長 久住委員、お願いします。

○久住委員 「ただし」以下の最後の文章なんですけれども、2行目に「事業者は、滞留水の処理」云々ということで、「作業者の放射線管理に十分な配慮」ということが記載されておりますが、これは私は非常に重要なことで、特にここのところは慎重に対応いただきたい、十分に対応いただきたいと思います。
それからもう1点、線量が高くなるということになりますと、骨髄移植等々の話が、治療というか今後の処置として話として出てきておりますが、私の認識では現在のところ、こういう例えばチェルノブイリ等々で骨髄移植が成功した例というのはないように記憶しておりますので、それに対する対応は十分慎重にするべきであると考えております。これはコメントです。

○班目委員長 ありがとうございました。
そうしますと、最初の代谷委員のご提案の部分の修文はどういたしましょうか。他号機の流出水は。

○久木田委員 「他号機の流出水は、格納容器から蒸気として出てきたものが凝縮したものの影響や、放水による希釈の影響を受けたものと推定しておりますが」、これぐらいでしたらよろしいかと思います。「凝縮したものの影響や、放水による希釈の影響を受けたものと推定しております」ということでいかがでしょうか。

○班目委員長 それでは、もう一度読み上げさせていただきます。
「なお、他号機の流出水は格納容器から蒸気として出てきたものが凝縮したものの影響や、放水による希釈の影響を受けたものと推定しております」、このように直したいと思います。
それからその下ですが、「空間線量率が非常に高いのは建屋の中だけであり、屋外では極端に異常な数値は計測されていません」、このように修正したいと思います。
それでは、他に何かご意見ございますでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、以上の修正を加えた上で、これを原子力安全委員会からの助言とするということでご異論ございませんでしょうか。
それでは、そのように決めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
本日、他にお諮りする議題はございますでしょうか。

○水間総務課長 ございません。

○班目委員長 それでは、これでこの会合は終了させていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時24分閉会

http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan020/index.html

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