2010年12月22日水曜日

東京都健全育成化条例のこと

第七条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法(昭和二十三年法律 第百三十七号)第一条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように努めなければならない。
一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

この条例改正の追記した部分、第7条第2項ですが、特異な記述はなんでしょう。
1)刑罰法規に触れる性交もしくは性交類似行為
2)婚姻を禁じられている近親者間における性交もしくは性交類似行為

このうち1)の刑罰法規に触れる性交もしくは性交類似行為は、第1項で言っていることと相違ありません。
つまり、この変更は、ねらいが2)の条項を追加することだったことが窺えます。
婚姻を禁じられている近親者間における性交または性交類似行為。
意外かも知れませんが、日本の法律では、これを禁じたり罰したりする法律がありません。
現行法を規範として出版物を検閲したいと思ったとき、作品の内容で検閲したければ、
「犯罪行為」
でなければこれまでは言及できなかった。
ところが、近親姦は犯罪行為ではないので、検閲委員達がどんなに苦々しく思おうと、作品内容をもって取り締まることは出来なかったのです。

ところが、これからは違います。

世にあふれるエロマンガのうち、絵のわいせつ性で取り締まれなかった作品でも、近親姦を描いていると言うことをもって、不健全図書に指定できるようになる。
端的に言うと、今回の改正の大きなねらいはここにあると思います。

近親姦は、エロマンガ市場において一種の人気市場らしく、様々な雑誌で数多く取り扱われているテーマです。
これを一掃したい、なんてきっと考えているんだろうなあと思います。

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